ヘアカラーの仕組み|色が髪に入るプロセスをわかりやすく解説
ヘアカラーは「薬剤を塗るだけで色が変わる」ように見えますが、実は髪の内部で繊細な化学反応が起きています。
この記事では、カラー初心者の方でもイメージしやすいよう、色が髪に入って定着するまでの流れをやさしく解説します。
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- 髪の構造を理解するとカラーの仕組みがわかる
髪は大きく3層に分かれています。
• キューティクル(最外層):うろこ状のバリア。髪を保護する役割
• コルテックス(中間層):髪の80〜90%を占め、メラニン色素が存在
• メデュラ(中心部):空洞のことが多く、カラーにはほぼ影響しない
ヘアカラーは、この中でコルテックスにあるメラニン色素を調整し、人工の色素を入れることで色を変えます。
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- ヘアカラーは“脱色”と“染色”が同時に起きている
一般的なアルカリカラー(おしゃれ染め・白髪染め)は、
実は 2つの作用を同時に行う薬剤 です。
① 脱色(ブリーチ)作用
薬剤に含まれる 過酸化水素(オキシ) が、髪の中のメラニン色素を分解して明るくします。
これがいわゆる “トーンアップ(明るくなる)” の仕組みです。
② 染色作用
同時に、色素の元(カラーピグメント) が髪の内部に入り込み、酸化して発色します。
メラニンを抜きながら人工的な色を入れるので、
自然な髪色から全く違う色へ変化させることが可能になります。
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- カラーが髪の内部に入るステップ
ヘアカラーは次のような流れで髪の中に浸透します。
STEP1:アルカリ剤でキューティクルを開く
アンモニアなどの「アルカリ剤」が髪の pH を上げ、
キューティクルを少し開き、薬剤が中に入りやすくします。
STEP2:メラニン色素を分解(脱色)
過酸化水素の働きでメラニン色素が壊れ、髪が明るくなります。
明るくするほど、色味は薄くなり透明感が出ます。
STEP3:人工色素を内部へ導入(染色)
小さな無色の染料が髪の中に入り、
酸素と反応して“大きな発色分子”に変わり、髪の中にとどまります。
STEP4:キューティクルが閉じて色が定着
時間が経つと pH が戻りキューティクルが閉じ、
色素が内部に閉じ込められます。これが“色が定着した状態”です。
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- なぜ色落ちする?仕組みを知れば理由がわかる
ヘアカラーは永久的に残るわけではなく、
日常生活で少しずつ色素が流れ出していきます。
主な原因はこちら:
• シャンプーや摩擦でキューティクルが開く
• 紫外線により人工色素が分解される
• 熱ダメージで髪の内部構造が乱れる
• 過去のブリーチで髪がスカスカになっている
特に透明感カラーほど色落ちが早いのは、
メラニンを大きく抜いているため色素が小さく、流出しやすいからです。
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- ダメージと色持ちを良くするためには?
✔ カラー専用シャンプーを使う
色素を落としにくい処方なので、退色をゆっくりにできます。
✔ 洗いすぎ・熱を当てすぎない
高温ドライヤーやアイロンは色素を壊します。
✔ トリートメントでキューティクルを整える
髪表面が整うと色素が流れにくくなります。
✔ 施術間隔を調整する
髪質によって最適な周期は違うため、担当美容師のアドバイスを受けるのがベストです。
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まとめ
ヘアカラーは、
メラニン色素を分解しながら人工色素を内部で発色させる
科学的なプロセスによって色を変えています。
仕組みを知ることで、
より自分に合ったカラー選びや、色持ちを良くするケアができるようになります。