毛穴・頭皮ダメージを減らす「地肌ギリギリ塗布」のコツ プロが教える“しみない・傷ませない”テクニック
ヘアカラーは地肌につかないように塗布した方が、
ヒリつき・赤み・フケ・抜け毛リスクを軽減できます。
しかし、白髪カバーなどでは「根元1mmまできっちり染めたい」という仕上がりの精度も求められます。
この両立を可能にするのが、サロン技術者が行う“地肌ギリギリ塗布”です。
ここでは、プロが実際に意識しているコツを“技術の理由”まで深掘りして解説します。
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- コームの角度は「30〜45度」が基本
地肌ギリギリ塗布の精度を決めるのは“コームの角度”。
• 角度が立ちすぎる(60〜90度)→頭皮にベタッと付着しやすい
• 寝かせすぎる(0〜10度)→髪に薬剤が乗らず、浮きやすい
最もコントロールしやすいのは30〜45度の角度。
この角度にすると、コームの先端が頭皮に触れず、薬剤だけが毛のキワにスッと入るようになります。
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- 薄いスライス幅で「頭皮の地形」を読む
スライス幅(髪を取る厚さ)が厚いほど、根元はムラになりやすくなります。
• 推奨は 3〜5mmの薄いスライス
• 頭の丸みに合わせて 地肌の見える位置を細かく調整
薄いスライスにすると“頭皮の地形(角度・くぼみ・丸み)”が正確に見えるため、
薬剤が地肌に落ちるリスクを最小限にできます。
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- 薬剤は「ブラシに乗せすぎない」のが鉄則
カラーが地肌につく原因の多くは薬剤量のつけすぎ。
● 適量の目安
ブラシに 片面6~7割 だけ薬剤を乗せるくらいがちょうどいいバランス。
● なぜ?
薬剤が重すぎると重力で垂れ、コームを倒した瞬間に“じゅわっ”と地肌に触れるため。
「やや少ないかな」くらいが、結果的に最も綺麗に“ギリギリ”を攻められます。
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- 根元1〜2mm手前に置いてから、コームで“押し込む”
いきなり地肌のキワにカラーをのせると高確率で直撃します。
プロがやっているコツ
1. 根元から 1〜2mm浮かせて薬剤を置く
2. コームを30〜45度に傾けたまま、
スッ…とキワに押し込む(寄せる)
この“寄せ技”によって、地肌に触れずに根元の白髪だけを完璧に拾うことができます。
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- 「毛流れの逆方向」から攻めると地肌につきにくい
毛流れに沿って塗布すると、薬剤が毛流れ方向へ倒れ、地肌に触れがち。
逆方向(毛流れを立てる方向)から攻めることで、
• 根元が持ち上がる
• 地肌と毛の間にわずかな空間ができる
• キワまで届けても地肌に触れにくい
というメリットが生まれます。
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- 薬剤のpHと粘度も“地肌負担”に直結する
地肌ギリギリ塗布を成功させるには、薬剤選定も欠かせません。
● アルカリが強い=“しみやすい”
高リフトのアルカリ剤ほど頭皮負担が増えるため、
根元のみの白髪染めではアルカリを抑えた処方の方が適切。
● 粘度が柔らかい=垂れやすい
柔らかすぎる薬剤は地肌へ流れ落ちやすいので、
根元用は粘度高めが安全。
薬剤の特性を理解すると、“地肌につかない塗布”の成功率が大きく上がります。
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- お客様の頭皮状態を見て「保護クリーム+塗布スピード」を調整
地肌ギリギリ塗布は技術だけでなく“判断”も重要。
● 敏感肌・荒れやすい人
→ 保護クリームは厚め/塗布スピードを早めに
(放置時間が長いと負担が大きい)
● 健康な頭皮
→ スタンダードの塗布でOK
頭皮の“赤み・乾燥・湿疹・かゆみ”がある日は無理に攻めない判断もプロの仕事です。
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まとめ:地肌を守りながら、根元1mmまで染める技術
地肌ギリギリ塗布の成功は、
「道具の角度」×「スライスの薄さ」×「薬剤量」×「押し込み技術」 の4つで決まります。
この技術が習得できれば、
• お客様の頭皮ダメージが大幅に減る
• 白髪染めのクオリティが格段に上がる
• サロンのリピート率が伸びる
という大きなメリットがあります。
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【監修サロン・アクセス情報】
大人女性の髪色悩みに特化したヘアカラー専門サロン。
「髪を傷めず、品よく、美しく」をテーマに、髪質や肌色に合わせたパーソナルカラー提案を行っています。
特にくすみカラー・白髪ぼかし・髪質改善カラーなど、専門性の高い技術を得意とし、地域の方々から高い支持を得ています。
住所:兵庫県西宮市浦風町19-6 ESPERANZA1F
[営業時間]
平日:am 11:00 ~ pm 8:00
土日祝日:am 10:00 ~ pm 7:00
定休日:月曜日
最寄駅
阪神本線 甲子園駅 徒歩3分
(駅近で通いやすく、仕事帰り・買い物の合間にも便利です。)
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【記事監修】井上 将之(ヘアカラー専門店 toiro/カラーリスト)
ヘアカラー専門店 toiro にて、年間多数の大人女性のカラー施術を担当。
髪質・肌色・ライフスタイルを踏まえたカラー設計を得意とし、特に くすみカラー・白髪ぼかし・ダメージレスカラー など、繊細な色表現を求められる技術に高い定評を持つ。
サロンワークの経験に基づき、「年齢を重ねても髪色を楽しめる」ための知識や技術を発信。
髪の悩みに寄り添いながら、科学的根拠(カラー理論)と実践的な施術経験を組み合わせた提案を強みとしている。
専門分野
• 大人女性の似合わせカラー
• くすみカラー・透明感カラー
• 白髪ぼかし・ハイライトデザイン
• 髪質改善カラー/ダメージケア
本記事では、プロとしての経験(Experience)と、色彩・毛髪の専門知識(Expertise)に基づき、信頼性の高い情報(Trust)を提供しています。