カラー剤に含まれる“アルカリ”の役割とダメージの関係 〜髪を明るくするメカニズムと、傷ませないための知識〜
ヘアカラー剤には必ず「アルカリ剤」が配合されています。
このアルカリは、髪を明るくしたり色をしっかり入れたりするための“必要不可欠な成分”ですが、同時にダメージの主な原因にもなる要素です。
サロンでもお客様から
「アルカリって何?なぜ傷むの?」
と聞かれることが多いため、ここでプロがわかりやすく解説します。
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- そもそも“アルカリ”とは何をしているのか?
カラー剤に含まれるアルカリ剤(アンモニア、MEAなど)の役割は大きく分けて3つです。
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① キューティクルを開いて“色を入れる準備”をする
髪は通常「弱酸性(pH4.5〜5.5)」です。
そこにアルカリが入るとpHが上がり、キューティクルが少し開きます。
▶ キューティクルが開く → 内部に染料が入りやすくなる
これが“アルカリカラーはよく染まる”と言われる理由です。
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② ブリーチ力(脱色)をサポートする
カラー剤の1剤と2剤(過酸化水素)を混ぜると化学反応が起き、メラニン(髪の黒色)を明るくする反応が起きます。
アルカリはこの反応を強め、
• 明るくする力の向上
• 色の発色の安定
• 染料の酸化重合をスムーズにする
といった働きをします。
▶ アルカリが弱いと、明るさも色味も弱くなる。
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③ 染料(アルカリ染料)をしっかり髪内部で定着させる
アルカリカラーがしっかり発色するのは、
“アルカリがpHを上げて、染料を内部で反応させる土台を作る”から。
つまり、アルカリは 「発色のスイッチ」 と言えます。
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- では、なぜアルカリはダメージにつながるのか?
役割が大きい一方で、アルカリには髪を傷ませる要因があります。
そのメカニズムは主に4つです。
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① pH上昇により、キューティクルが開きっぱなしになる
アルカリで開いたキューティクルは、カラー後すぐには元に戻りません。
▶ 結果:
• 内部成分(タンパク質)が流れやすくなる
• パサつき、ハリコシ低下につながる
• 退色しやすくなる
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② 髪内部のタンパク質が“溶けやすくなる”
アルカリ性になると、髪のケラチン構造が不安定になります。
特に、高アルカリの薬剤(高明度カラー・ブリーチ)ほどタンパク質流出が増えるため、ダメージが蓄積しやすい。
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③ 過酸化水素との反応がダメージを加速
アルカリ × 過酸化水素 で起きる酸化反応は、髪を明るくする一方で
• 酸化ダメージ
• 活性酸素によるタンパク質の劣化
• メラニンが不安定になり退色が早まる
といった負担が発生します。
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④ カラー後の“残留アルカリ”が長期ダメージにつながる
最も見落とされがちなのがこれ。
カラー後、シャンプーしてもアルカリは完全には抜けません。
残留したアルカリは、
• 何日もキューティクルを開かせ続ける
• タンパク質・CMC流出をさらに加速
• 退色を早める
• 髪の“アルカリ疲労”を起こす
という長期的なダメージの原因になります。
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- ダメージを抑えるために、サロンができる対策
プロ目線で「アルカリの悪影響を最小限にする方法」を紹介します。
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① アルカリ量の少ないカラー剤を選ぶ
最近は、
• 低アルカリタイプ
• アルカリを抑えた白髪染め
• 微アルカリカラー
など商品が増えています。
根元が伸びていない部分や、暗くするカラーではアルカリを必要としないため、
必要な範囲だけアルカリで攻めるのがポイント。
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② 残留アルカリ除去を必ず行う
サロンでは必須の工程。
• 酸性処理
• 酸リンス
• 残留アルカリ除去剤
• pHバランス調整トリートメント
これらで髪を弱酸性に戻し、ダメージの進行を止めることが可能です。
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③ 毛先は“酸性カラー・カラートリートメント”を併用
毛先にアルカリはほぼ不要。
むしろアルカリを重ねるとダメージが一気に進みます。
根元=アルカリカラー
毛先=酸性カラー(マニキュア・酸性染料)
という使い分けがプロの基本。
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④ カラー前のプレケア(前処理)で髪を守る
• ケラチン・CMC
• ボンド系ケア
• 疎水化トリートメント
髪内部の隙間を埋めることで、アルカリダメージが軽減します。
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- まとめ:アルカリは“必要だがコントロールが重要”
アルカリは、髪に色を入れるために欠かせない成分です。
しかし、同時に 「ダメージを生む原因No.1」 とも言えます。
重要なのは
• 必要な範囲だけアルカリを使う
• 薬剤選定で過剰なアルカリを避ける
• 残留アルカリを必ず除去する
• プレ・アフターケアを徹底する
という“コントロールの技術”です。
この理解があるだけで、
お客様の髪が長期的に美しく保たれ、退色やパサつきも大幅に減少します。
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【監修サロン・アクセス情報】
大人女性の髪色悩みに特化したヘアカラー専門サロン。
「髪を傷めず、品よく、美しく」をテーマに、髪質や肌色に合わせたパーソナルカラー提案を行っています。
特にくすみカラー・白髪ぼかし・髪質改善カラーなど、専門性の高い技術を得意とし、地域の方々から高い支持を得ています。
住所:兵庫県西宮市浦風町19-6 ESPERANZA1F
[営業時間]
平日:am 11:00 ~ pm 8:00
土日祝日:am 10:00 ~ pm 7:00
定休日:月曜日
最寄駅
阪神本線 甲子園駅 徒歩3分
(駅近で通いやすく、仕事帰り・買い物の合間にも便利です。)
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【記事監修】井上 将之(ヘアカラー専門店 toiro/カラーリスト)
ヘアカラー専門店 toiro にて、年間多数の大人女性のカラー施術を担当。
髪質・肌色・ライフスタイルを踏まえたカラー設計を得意とし、特に くすみカラー・白髪ぼかし・ダメージレスカラー など、繊細な色表現を求められる技術に高い定評を持つ。
サロンワークの経験に基づき、「年齢を重ねても髪色を楽しめる」ための知識や技術を発信。
髪の悩みに寄り添いながら、科学的根拠(カラー理論)と実践的な施術経験を組み合わせた提案を強みとしている。
専門分野
• 大人女性の似合わせカラー
• くすみカラー・透明感カラー
• 白髪ぼかし・ハイライトデザイン
• 髪質改善カラー/ダメージケア
本記事では、プロとしての経験(Experience)と、色彩・毛髪の専門知識(Expertise)に基づき、信頼性の高い情報(Trust)を提供しています。